入国審査☆ | 月刊ビオラ~Shimpei特集記事~

入国審査☆

 国審査ではアラブ系で鼻にピアスしたお姉さんが対応。パスポートの顔と生の自分を何度も何度も見返しチェック。うわ、あやしまれている。行き帰りのエアチケット、入学証明証とステイ先住所を提出。いきなりレシートは?と聞かれ、困る。始めはレシートという英単語の発音を聞き取れず、何度もソーリィ?と聞き返す。ああ、授業料の領収証で信用度をみたいのか、とわかった頃には、お姉さん不機嫌顔。そんなの手持ちで持ってなかったから、正直にトランクの中と答える。誰がお金を出したのか、なぜ領収証を今持ってないのか、と怖い顔で問い詰められ困る。ほんとに授業料を払ったのか、すごくこだわっている。レシートが要るなんて知らなかったと、言うと、じゃあいくら払った?と聞かれる。その金額を言おうと思ったら、その値の単語が出てこない。言葉に詰まる。今言えなかったら入国できないかも。どこか個室に連れて行かれたらこわい。あせるとますます混乱。しょうがないから、ペンを貸してもらい、---yenと書いて、どうだ!と差し出す。すると面倒くさそうにパスポートを返された。良かった。サンキューと笑ってみたが、反応は無愛想。

 う泣きそう。むこうは仕事だけども、怪しまれるのはほんとに嫌。俺が入国すると迷惑?正直、帰りたくなった。困難を乗り越えて自分を成長させるために来たんだ。そう思い直す。いつも物事を突破するとき、つらいのは最初だけ。二回目には慣れて余裕が出てくるものだから、と自分を励ましながら。税関はこんなもんだと思えたから、次はこの基準で考えられる。もう同じ対応を受けても落ち込まないもんね。