ヒースロー空港で迷子☆ | 月刊ビオラ~Shimpei特集記事~

ヒースロー空港で迷子☆

国を突破し、さっそうと到着ロビーへ。ついについにイギリス到達。何とか俺もここまで来ることができた。しかし、その達成感が徐々に消えていった。手配しておいた出迎えドライバーが、どうしても見つからないのだ。着いて早々、大ピンチ。ほんとはすぐにステイ先までスムーズに連れて行ってもらって、ゆっくり休むはずだったのに。ケータイ持ってないし、日本語話せて相談できそうな人は見当たらない。

し出迎えが見つからなければ、ロンドンから自分でたどり着かなければならない。朝から予期せぬ戦いが始まった。自分で行くとしたら、どうやって行くのだろう。行き方がわかったとしても、今日中に着けるだろうか。着けなかったら、どこに連絡しないといけないのか。不安が不安を呼ぶ。結構、似たような出迎えのボードを持った人がいて、しかも次々と入れ替わってくから、一時間くらい探してみる。重たいトランクをゴロゴロ転がしながら歩き回る。目に入るのはすべてアルファベットで混乱してくる。

すが海外ひとり旅。こんなに動揺したのは久しぶり。人はほんとに困ると、呼吸ができなくなっていくと実感。まさに苦しかった。ひとりで探していても埒があかなく、学校のオフィスに電話をかけてみようとする。でも、かけかたがわからない。誰に聞いていいのか、その英文もあせって浮かんでこない。こういう難題は外国生活の後半で出題していただきたい、と神様につっこむ。到着後速攻はないよ。日本では味わえないつらい困難を求めて来たわけだけど、そうわかってても、泣きたくなった。いきなりすぎるでしょ。

話はしばらく、他人がかけるのを観察。まず受話器を上げるらしい。次にクレジットカードを入れてみたけど、反応せず。隣にいた日本人らしきアンちゃんは簡単そうに英語で話し中。対照的。俺の操作が悪いのか、もともと使えないシステムなのかわからんっ。そのアンちゃんは福山雅治似で外国慣れしてそう。不安げなニホンジン英語を聞かれたくなかったから、わざわざ彼から見えない電話に移動。しょうがないから、ポンドでやろうと方針転換。でも札はあっても小銭なんてまだ持ってない。持っていたドル札を両替してなんとかコインをゲット。けど、コインには様々な数字に加え、ポンドとペンスって彫ってある。どっちが高い位だっけか。1ポンドが何ペンスで何円だっけか。お金については後でゆっくり調べるつもりだったのにな。頭がクラクラ。今はがんばらないといけないときなんだ、自分よ。しょうがないから入るほうのコインを適当に入れてダイヤルを押す。やっとかかった!かけた相手はイギリス人だから、英語でしゃべらなきゃ。こんなケース、受験英語で習ってないよ・・・。電話口の英語って難しいって噂だぞ。

もなんとかなるもんだ。緊張より増して、助けてもらう切望があったからかな。状況をわかってもらえ、ドライバーに連絡をとってもらえたようだ。放送でなにやらトダァカと聞こえ、指定された場所にいってみると、やっとやっと出会えました。そのときはドライバーに後光が。計二時間の呼吸困難に終止符。ドライバーも入国の記録とか確認したりして探してくれていたそうだ。彼はI got him!!と嬉しそうに電話していた。サンキューフォー、ゲァットィングミー!とお礼して笑いあった。成田からの長い冒険を終え、やっと見方の馬車にかくまってもらえた気分。これはイギリス時間早朝六時から八時までのお話。